「愛だけでは生活できない。」

これは、長年夫婦として共に過ごしてきたものの、経済的な不安から熟年離婚を考える女性の多くが感じることです。

例えば、A子さん(58歳) の場合——

A子さんは34歳で結婚し、二人の子どもを育てながら長年パートで家計を支えてきました。夫は優しく穏やかな性格でしたが、50代になっても手取り16万円、ボーナスもわずか。子どもが独立した後、「このままでは自分の老後が破綻する」と離婚を考えるようになりました。しかし、離婚後の生活に不安があり、なかなか決断できずにいます。

A子さんのように、「低収入の夫との生活を続けるべきか、それとも離婚すべきか?」と悩む女性は少なくありません。

本記事では、熟年離婚を考える前に知っておくべき現実的な選択肢を、年金分割や夫婦関係修復の方法、住居や仕事の選択肢などを詳しく解説します。

熟年離婚が増えている理由とは?

熟年離婚を考える50代以上の日本人夫婦が距離を感じながら座っている様子(16:9)

近年、子供の独立後に離婚を考える「熟年離婚」が増加しています。厚生労働省の統計によると、50歳以上の夫婦の離婚率は2000年と比較して約1.5倍に増加。特に経済的な不安が大きな要因となっています。

熟年離婚を考える主な理由

  1. 夫の収入が低く、老後資金が不安
  2. 夫の性格や価値観に我慢できなくなった
  3. 子供が独立し、夫婦の関係が変化した

低収入の夫との生活が抱えるリスク

50代の日本人女性が家計の計算をしながら悩んでいる様子(16:9)

低収入の夫との生活を続ける場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?

① 老後資金が不足する

総務省の家計調査によると、夫婦2人の老後の平均生活費は月25〜30万円。しかし、夫の収入が16万円では、貯蓄がなければ赤字が続く可能性が高いです。

② 生活の質が低下する

  • 病気になっても医療費が十分に支払えない
  • 趣味や旅行などの余裕が持てない
  • 夫の退職後、生活費がさらに苦しくなる

③ 精神的なストレスが増える

  • 夫が無計画で、生活の改善が見込めない
  • 「なんとかなる」という楽観的な夫にイライラする
  • 自分の人生を大切にしたいという思いが強くなる

離婚を決断する前にやるべき4つのこと

1. 離婚後の生活費を試算する

離婚後の生活費を把握し、現実的にやっていけるか計算することが重要です。

離婚後の生活費シミュレーション(例)

費用項目月額費用
家賃(賃貸)6万円
食費3万円
光熱費1万円
通信費8,000円
健康保険・年金2万円
雑費1万円
合計約14万円

手取り収入が10万円以下なら貯蓄を取り崩す生活になるため、厳しい現実が待っています。

2. 財産分与と年金分割を確認する

財産分与

夫婦が結婚中に築いた財産は、原則として2分の1ずつ分けることができます。

  • 預貯金
  • 不動産(持ち家)
  • 退職金
  • 生命保険の解約返戻金

年金分割の種類と手続き

年金分割には、**「合意分割」「3号分割」**の2種類があります。

年金分割の種類内容手続きのポイント
合意分割夫婦が話し合い、合意の上で分割する夫婦間の合意が必要、弁護士を通すケースも
3号分割専業主婦(第3号被保険者)が自動的に分割できる2008年以降の厚生年金が対象

年金分割を申請する際は、年金事務所で必要書類を提出し、分割割合を決めます。

離婚後の住居はどうする?4つの選択肢

50代の日本人女性が引っ越しの準備をしている様子(16:9)
選択肢内容
公営住宅低所得者向け。自治体の窓口で申請が必要
実家へ帰る家族と相談し、生活費の分担を決める
家賃の安い地域へ引っ越し田舎や郊外は都心より家賃が安い
シェアハウスを利用50代以上向けの女性専用シェアハウスもあり

公営住宅の申し込みは自治体の住宅課で行えます。抽選制の場合が多いため、早めの申し込みが重要です。

50代からでも大丈夫!仕事の探し方

50代の日本人女性がパソコンで仕事探しをしている様子(16:9)

50代でも可能な仕事や資格を取得し、収入を確保しましょう。

おすすめの職種

  • 介護職(ヘルパー、介護福祉士)
  • 医療事務(病院の受付業務)
  • 事務職(データ入力、経理補助)
  • 在宅ワーク(ライティング、コールセンター)

活用できる就職支援サービス

サービス内容
ハローワーク全国の求人情報、職業相談、職業訓練の提供
シルバー人材センター50代以上向けの短期・長期の仕事を紹介
転職エージェント正社員や契約社員の仕事紹介

就職支援を受けることで、スムーズに再就職できる可能性が高まります。

まとめ:離婚を考えるなら慎重な準備を!

熟年離婚は慎重な判断が必要です。低収入の夫との生活に不安を感じたら、まず以下のポイントを確認しましょう。

✅ 離婚後の生活費を試算する
✅ 財産分与・年金分割を活用する
✅ 住居の確保と仕事の準備をする
✅ 行政サービスや専門家を活用する

衝動的な決断ではなく、しっかりと準備をした上で後悔しない選択をしましょう。